平成17年末には、(株)文芸社より「インターネット心理療法」なる書物を出版させて頂いた。
著書では、親と子の心の関係、子供が成長して行く過程にて子供へのスキンシップというか、育てる過程において子供が一般常識のある大人に育つには、親の子育てが大切なのだ・・・・と、書いた箇所が多かったと思っている。
子供が育つには、親の考え方が重要だと伝えたかった。
子供が所謂健常な大人に成長するには、心の持ち方が本当に大切なのだと“親”に「もう少し<子供の事柄>を本気で考えて下さい」と訴えたかったのである。
当方の心理療法の現場に訪ねて来られる親達にお会いし話を聞いていると、何時も「自分の子供を何とか治してあげたい」と考えておられる。
「一生懸命に何とか子供を自立させてあげたい」と考える親は立派だと感じてはいる。
だが、もう少し熟慮して頂けたらと思っている。
親の過剰干渉は決して良くない。
親は、子供が大人になった時に世間で優秀な人間だと褒め称えられる人に育てたいのである。
子供が幼い時から“親の考え方”を子供に押し付け、また、“親の理想像”を持って育てる親達も本当に多い。
親は、自分の子供が大人になり俗世間に出て行く時、誰にも負けない立派な大人になるように育てたい事は確かに良く理解出来る。
だが、子供達は決して{親の道具}ではない。
人間世界について、何も知らない子供に親の考え方を植え込もうとする、そんな親の気持ちを理解できる子供が何処にいるだろう。
「親の心、子知らず」の時代は既に昔の話である。
子供の時から親の心を理解できながら育つ、そんな子供はいる筈もないだろう。
ちょっとした「機」で、子供の心は<怠け者の道>にでも、<立派な切磋琢磨の道>にでも流れて行くものであろう。
幼い時から子供を優秀に育てたいと思う程、子供にはストレスがかかって来る。
幼少時から子供に“親の思いを知って欲しい”と思うだけで子供の心は疲れてしまう。
ここでは、子育ては<ほっておいて良い>と言っているのではない。
親がどんなに学問的に優秀でも、子供が<優秀に育たたない>場合は沢山とあるものだ。
赤ちゃんから育つ過程で、年相応の考え方を持って子供が育てば良いのである。
が、世間の親達は急いで子供を大人にしたいのである。
注意すべきケースがある。
これについては、これより少しずつ書いて行きたい。
ここでは『「子の心、親知らず」して、子供の心を矯正することは不可能だ』と伝えておきたい。
この言葉を親は明確に<心に留めて>おいて欲しいものだ。