<<講演>>うつ病(4)

 「うつ病」にならないために、「うつ病」から解放されるために、・・・などで、お話をしています。

 

 自分の現在の心、或いは、現在の考え方は、過去の心に裏打ちされていますので、矢張り自分の過去の心が大事ですね。

「過去を振り返らないで!」という言葉は、かっこ良い様に感じられる人がいるかも知れませんが、本当は、自分の心・人の心、人の心のカラクリを知らない人がよく言う事葉です。

本当は、一番にまずい言葉なのです。

人の悩みや苦しみを理解出来ない人達の言う言葉です。

 

 「うつ病」は、大脳内の生理学的&生化学的変化も見られます。

悩む事が最初になって、同時に大脳の生理学的変化も後から変化しますので、逆に、人が悩む事、執着する事、拘る事から解放されますと、大脳内の生理学的変化も改善されます。

 夜間眠る事が出来なくて苦しんでいる人の場合では勿論<薬は必要>です。

執着するが故に、昼間でも頭の回転が全く出来ない人達もいますので、この様な場合では薬の助けも必要です。

しかし、薬で“人の心を変革する事”は出来ません。

薬は、人の感情の浮き沈みを少しばかり持ち上げる事は出来ますが、最後まで人の心の進歩、格別に人生を生きて行く知恵を与えてくれる訳では有りませんから、そこら辺りを治療者も充分に知っておくべきでしょう。

 悲しい事ですが、日本のみならず世界中で“うつ病者が悩まない人になるような方法”を考えている人達は少ないようです。

医療の世界でも、うつ病の人達に“心理療法”を受けて本当に悩まない苦しまない人間にしてあげようなどと考えないのですから、当方から見れば不思議でもあります。

不思議と言うよりは、医療者も行政の人達も{悩みの解決}については勉強していないので仕方が無い事なのかも知れません。

 

 人は誰しも、悩まずに悲しまずに生きる事が最大に重要だと思います。

しかし、人として生まれて生きる以上“一度も悩まず”という事は少ないでしょう。

それなりに少しは考え込む時もあるでしょうが、どれほど自分の心の葛藤に対して無意識的に今の自分の心を調整しているかでもあります。

人には、本音と建前の心があると言われていますが、幼児的な人はこの本音と建前の心が上手にコントロール出来ないのです。

本音と建前と言えば、言葉に少し拒絶反応が出るかも知れませんが、本当に大切な言葉です。

 人は、自分の持っている心を全部知っておくと、何事が眼前で起ころうと環境や他人の動きに上手に対応出来るものです。

「人生を迷わずに生きる事」これは“自分の過去を振り返る事”、それ以外に方法は無いでしょう。

 

 前だけ向いて生きる方達もおられますが、当方から見れば悲しい人達としか思えません。

また、別の機会に話しましょう。

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