<<うつ病>>究極の世界(10)

 前回、「うつ病」は簡単に治ると述べました。

本当に簡単に治るのです。

しかし、心理療法を体験して自分が一体にどんな人間であるか・・・{真面目な人間}か{真面目でない人間}か、を十分に確認しておく事が必要なのです。

 

 当方、医師として、また心理士として、長期間に渡り<沢山の人>に出会ってきました。

本当に悲しく思うのは、「うつ病」の人を含めて、人間は“自分の心を知らずして他者の心を一生懸命に知りたいと思っている場合が多い”ことです。

自分の心を知って、初めて他者の心を読めるようになります。

 

 『重症うつ病』でも、何とか自分の思いを伝達できる人であれば心理療法が可能となります。

しかし、大変なのは『重症うつ病』で社会復帰できない人の場合ですね。

その周囲の人達の協力が<鍵を握る>事もあります。

時には、周囲の人達が{うつ病者}の原因になっている事もあります。

また、親が原因で子供(大人の場合もある)が、「うつ病」になっている事も沢山あります。

考え方によっては“人格”の問題だから、「うつ病」の原因は全てが親にあると言っても

言い過ぎではないでしょう。

その人の“人格”の問題だからですね。

「いや、生い立ちで親と一緒に住んでいた頃は、何も心の葛藤を抱えていなかった」と言う人もいるでしょう。

しかし、これが大きな間違いなのです。

家族から養われた後も、人は心の葛藤を無意識的に溜め込んで生きるものですから、家族から離れた後も少しは関係あります。

家族に養われている期間、離れた期間の両方とも、自分の心の旅をしておくものです。

 人は誰しも、“自分の生い立ち”をしっかりと過去の回想をしながら、心の世界を散歩すると、意外な過去の心の葛藤を発見するものです。

自分の過去の心の世界を散策した体験のない人達(たとえ御住職さんやお医者さんであっても)は、この心の世界について理解は出来ないものです。

しかし、体験すれば小学6年生からでも理解出来ます。

痴呆症が無ければ80歳の高齢者の人でも理解出来ます。

 

 {うつ病者}が回復して行かない場合は、側の人達の関係もあります。

周囲の人達も充分に注意が必要です。

会社に勤めていても同じですね。

会社の上司が、同僚が、または部下が、それぞれ“問題”や“切っ掛け”になっている場合もあります。

家族も同じです。

配偶者が“問題”や“切っ掛け”になっている場合もあります。

 子供の「うつ病」は親に“原因”があり、親の「うつ病」は子供に“切っ掛け”や“問題”がある・・・、こんな症例も沢山とあります。

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