<<うつ病>>追加編(6)

 人間は孤独に弱いですね。

寂しさや悲しさなどにも弱いです。

そのわりには「人が嫌い」とか「気が合わない」とか、自分でマイナスの感情を持って距離を置こうとします。

寂しいことなのですが、孤独で辛いことなのですが、自分で{悲しい、どうしようもない気持ち}を作りあげるのです。

 

 本質的には、人間誰しもが人生を強く生きるために、自分で積極的に{孤独な環境}を作り上げ、そして孤独の中に自分を置いてみる事です。

孤独な感情を味わってみないと、他人の孤独な悲しい気持ちが理解できないからです。

孤独で寂しく人生を過ごしている人達の気持ちを充分に理解してあげる・・・大切なのです。

 そうは言っても、自分の本性的な心で孤独感を感じる人達は、自分だけではなかなか現実の人間社会に自分を連れ戻す事が下手なものです。

人間は、自分の心を反転する能力を、自分の身に付けなければいけません。

また、孤独に襲われるのは自分が勝手に<相手を拒否する>からです。

それで、嫌いとか、気が合わないとか、怒りとか、恨むとか、そんな自分の心を反転する事でもあります。

 

 うつ病者は、殆どの場合(100人中100人と言っても良いですが・・・)自分の心は、真面目だと思っています。

勤勉だとも思っています。

本当に真面目で勤勉な人達が、悩んだりするでしょうか?

自分は真面目だと大きな顔をしている人達は、ある時に突然に大きく落ち込む場合もあるでしょう。

自分が真面目だと考えている人達、多くの自称健常人も<自分達は真面目だ>と思っていますけれど、何とか無意識的に自分の心の葛藤を処理しているだけの事です。

 

 心・性格・人格の問題ですが、心理療法に長く関わっていると、自分が<真面目であると思っている人達>ほど、俗世間への適応に苦しみを感じています。

自分は本当に<真面目でない>と考えている人ほど、人生を生きるのに悩まないですね。

 

 冗談でこんな話をしているのではありません。

唯、真実を述べているのです。

人間が此の世を生きるには、ギブ&テイクの世界です。

{エゴ}全部を捨てて生きるなんて無理です。

多くの人達、実業家も、学者も、政治家も、弁護士も、医師も、富豪者も、芸術家も、一般のサラリーマンも、諸々の人達、皆を含めて<悪人で生きて>います。

彼等の中の一部の人達は<自分の悪の心の本性>に気づいている人も居ますが、多くの人達は、自分達の心を顧みないので、そんな<自分の悪の心の本性>は見えていません。

 

 ここで、悪人意識が何故に大切なのか、と言えばですね、自分が善人と思う人達ほど無意識的に<テイク>を考えます。

悪人意識・駄目人間・愚かな人間・・・などなど、自分の心を真実に知っていると<ギブ>の心も湧いてきます。

勇気も出ます。

報恩の心、です。

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