メール相談のページでも書いておりますが、当方へ来所できない人達には、ある「課題」をお渡し申し上げています。「課題」を受け取られた方は、必ず、「課題」について考えて思い出したことを当方までお送りいただきます。
この課題について何度か繰り返していると、自然と{本当の自分を知ることになり}、自分のこころをコントロールできるようになります。
自分のこころは正常だと自覚している人々も、この「課題」について考えることは、人生を生きる上で非常に大切です。
多くの方達は、「悩みは無いが、ストレスはある」と言われます。
「課題」について考えることで、人は自分のストレスを(他人のストレスをも、自分の方で)コントロール出来るようになります。
燃え尽きた心、幼児帰りした心を調整することさえ可能となるでしょう。
人間の心には、浅い心と深い心、つまり「本音」と「建前」の心が動いております。
人間社会を生きて、過去から現在にまで「どのように自分の行動と会話を自分のこころで動かして」いたかを、しっかり掘り起こして「真実なる自分」を確立しましょう。
最初の内は、どうして自分の過去を眺めるのか「不思議だ」「必要があるのか」と思うかもしれませんが、人は一般に自分の思い出したくない「過去の心を忘れよう」とします。
自分の過去を「嬉しかった・楽しかった」と感じる方は、その嬉しかった事柄を探しましょう。
苦しさや悲しさを感じる人々は、最初のうちは「過去の悲しさ・苦しさ」を掘り起こすのに、少しながら抵抗を感じるかもしれません。
しかし、人間は大脳の一部分、「旧皮質の海馬」というところに過去の心が蓄積されているので「完全なる忘却をする」ことは実際は不可能なのです。
精神科医や診療内科医の先生の中には、時折、「過去を振り返るとフラッシュバックするので、過去を振り返らない方が良い」と言われる方がいます。
しかしこれは、人が人間社会を生きていくのに、人の心が如何に動いているのか、簡単にいえば「人間の心のからくり」を勉強されていない事から出る発言だと思います。
自分の過去を知り尽くしていると、自分が人間社会を生きていくのに、「仮面をかぶる」必要がなくなります。
自分のこころの殻の中に閉じこもらないで、鳥が卵の殻を割って、外側の世界に出てくるように、人も自分のこころの中の世界に引きこもらないで、こころの外側の世界に出てきて、自由に生きることが出来るようになります。
人はどうしても自分のこころを飾り、他人・周囲の人達から称賛されたい、褒められたいなどと考えこんでいるものです。
真実なる自分を、心の中をさらけ出して生きる、これでよいのです。
先祖・父と母を縁にして、此の世に生まれてきた以上は、もはやどんなに嘆いても、怒りを持っても、自分で自分のこころを解決しない限り、何も変わらないのです。
自分のこころを成長させることを怠り、自分のこころを「そのまま」にしておいて、周囲の他者の心や環境が変わることを待っていても仕方がありません。
とにかく、こころを「大人にして」生きることです。
精神的成長が遅れたとしても、よほどのことに、先天的の疾患でない限り、努力すれば、「こころは、大人になれる」ものなのです。