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<<不透明な道>>不透明な道(3)

2011 年 6 月 21 日 火曜日

 何故かしら、此の世に誕生してきました。

好き好んで、生まれて来た訳ではありません。

男性と女性が愛し合って、そこから、子供が生まれて来ます。

 競争率は、東京大学や世界中のエリ―ト大学へ入学するよりも入学率の倍率も高い筈ですからね。

そんな難関の道を通過して誕生していますが、そんな過去の記憶は全くありません。

人が悩む時は、そんな事実も忘却したままで、ひたすらに、自分の<不透明>な現在と未来を考え込んで悩んで生存しています。

 

 過去の事実でさえ、忘却しているのですから、また、誕生した時から、自分の親の顔も知らず<不透明>で、親の性格や人格や地位や名誉や貧乏か金持ちか、なども全く<不透明>です。

誕生したばかりの新生児には、此の世に誕生した意味も分からず、勿論、人生については全く<不透明>です。

 周囲には、どんな人達が居るのかも分かりません。

自分の周りの世界の全部が、<不透明>です。

乳児になって、少しずつですが、誰かの顔を少しずつ記憶していくでしょう。

その顔が、本当の自分の親か、自分の親でなくて、自分の遺伝子と関係ない親なのか、絶対に知る筈もありません。

 

 まして、昨今では、夫婦の間で赤ちゃんが出来ないからと、他人の遺伝子を借りて赤ちゃんを作る場合もありますからね。

赤ちゃん、子供にとっては、親が話してくれない限り、絶対に分からないでしょう。

 子供が成長して大人になって、何となく親や周囲の状況から違和感を感じて、時に、自分で血液型や遺伝子などを調べないと、<不透明>ですね。

大人になって、自分で頭を働かせて調べてみないと、自分の存在が何処から来たのか不明、<不透明>なのです。

赤ちゃんの誕生、動物も植物も究極的には同じかも知れません。

 

 昔から有る言葉ですが、「人間に生まれて来たのは、有り難し」、「今、生きているのは、有り難し」などと言う言葉があります。

人間として生まれたことが、不思議だ、不思議だと言うのです。

今、生きているのが、不思議だと言うのです。

 そう、人間でなくても、どんな動物か植物に生まれて来ても不思議でもないだろうし、これが<不思議>で、<不透明>でもあります。

赤ちゃんでお乳を頂くのも、誰からか、母親からか、人造ミルクか、たまたまの出来事で不確定、<不透明>ですからね。

赤ちゃんは、誰からお乳を貰って育つのでしょう。